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ツーオペ育児

ワンオペ育児という言葉がある。

主に母親が”1人で”育児や家事を行うこと。

育児と一言で言うが、その内容はとても多い。

生後2ヶ月の子の場合、

おっぱいやミルクをあげて、

子供の服を洗濯して干して畳んで、

おむつが濡れたら変えて、

汗をかいたら着替えて、

泣いたら抱っこしてあやして。

お風呂に入れるのは1日の中でも大仕事。

ベビーバスにお湯をためて、

その間にガーゼや着替えやバスタオルを用意して、

お風呂上がりに飲むミルクも用意しておいて、

お湯が溜まったら服を脱がせてベビーバスに入れて身体を洗う。

顔にお湯がかからないように気をつけながら、

頭からお尻まで洗っていく。

洗い終わったら、綺麗なお湯で体をすすいであげて、

バスタオルに包んで、体を拭いてあげて、

全身に保湿クリームを塗って、

服を着せる。

あらゆる細かい作業や段取りの組み合わせで一つの”仕事”が成り立っている。

そして予想外に常に対応する。

おしっこやうんちが浴槽で出てしまったら

浴槽洗いが追加され、

お風呂上がりに泣いてしまったら

抱っこでひたすらあやし続ける。

自分が休む暇なんてない。

 

そうこうしているうちに、1日はあっさり過ぎ去っていく。

特に夜に頻回に授乳をしている場合など、

夜間も3時間おきに起きていると、

もはや今日と明日の境目は無くなってしまう。

今日の仕事が終わった、と解放される時間などないのだ。

 

娘が2ヶ月になる手前の頃、

夫が1年間の育休に入った。

ワンオペからの解放。

我が家の育児は”ツーオペ”になった。

私がおっぱいをあげている間に夫はミルクを作ってくれる。

私がご飯を作っている間に夫は娘と遊んでくれている。

私がお風呂あがりの準備をしている間に夫がお風呂に入れてくれて、

私が服を着せている間に夫はお風呂の掃除も終わらせてくれる。

間の仕事をしてくれることで、

私は自分の時間が持てるようになった。

出産してからはあくまで母であり自分では無くなっていたが、

私という個人であることを思い出させてくれた。

昼寝で睡眠不足を解消できるようになったおかげで、

苛立ちが減り、娘に優しくなれた。

何より娘の反応や成長を夫とともに見て、

一緒に考えてくれる。不安や悩みを共有できる。成長を喜び合える。

それは私にとって、

育児が”修行”から”楽しみ”に変わった瞬間だった。

 

世のお母さん方は、

私の母や祖母の時代から、

特に核家族になってからはずっと

ワンオペ育児を頑張ってきてたんだと思う。

祖母は結婚前には働いていたが、

結婚後は専業主婦になり、

母と伯母を1人で育てた。

祖父の子育ての話はあまり聞いたことがない。

母は教師で出産後も仕事を続け、娘3人を育てた。

共働きだが家事のほとんどを母が担っていた。

父は7時には家を出て、帰宅は21時をすぎることも多かった。

育児休業は男女ともに認められていたのに、

父親が育休を取るという発想すらなかったという。

男女平等と言われて久しいのに、

まだまだ女性の担う家事や育児の割合は多い。

それは現在でも。

子供のいる友人はみな、専業主婦で育児を頑張っている。

街を歩いていても、

子連れの”お母さん”はとても多いが、

子連れの”お父さん”はそれに比べて少ない。

でもこれは”お父さんだけが悪い”というわけではないと思う。

 

出産前の講習は”母親教室”だし、

助産師さんの訪問では両親ともに在宅していても

ほとんど母親に話しかける。

女性の友人や上司は育児経験があっても、

男性の友人や上司は育児にほとんど関わっていないか、

妻が”お膳立てしてくれた育児”をして

イクメンを気取っている人がほとんどだろう。

女性が妊娠すると、聞いてもいないのに色々なアドバイスをもらえるのに対して、

男性は妻の妊娠を報告してもおめでとうと言われるくらいだろう。

子供ができる前の新米パパママにとって

育児経験者から聞く話ほど役に立つものは無いのに。

父親が育児を知る機会は母親ほど多くない。

産む前から男性を”父親”にさせていないのは

男性に自覚が芽生えにくいのは、

周りの人のせいもあると思う。

 

夫が育休を取った話をすると

「イクメンだね」「仕事は大丈夫?」「生活していけるの?」

褒め言葉と余計なお世話が入り乱れる言葉を頂戴し、

悪意はなくても少しゲンナリする。

でもその言葉の背景は”羨ましい”という純粋な感情なのかなと思う。

ワンオペよりも”楽に”育児をしている私が

大変だと言うのも悪い気がして

あまり発言できなくなる。

でも、ツーオペの良さを言わないと。

これまでワンオペがきつい!と声をあげてくれたおかさん方のおかげで、

男性の育休制度は進み始めてる。

制度だけが形骸化していたのが、

実態を持ったものに変わり始めている。

私はありがたく受け取って、

育児を夫婦で楽しませていただこう。